空想科学祭2010 辛口感想専用板

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[42] キッチンドランカーvs冷蔵庫 Name:栖坂月 HOME Date:2010/09/09(木) 16:55 [ 返信 ]
【あらすじ】
夫婦は幸せだった。半年前、当時三歳だった我が子を失うまでは。夫は仕事に没頭し、妻は酒に溺れた。これは、そんな夫婦の今とこれからに敢然と立ち向かった冷蔵庫の物語である。

【一言】
こっちの作品は少し苦労しました。それだけに感想をいただけるとありがたいです。コメディとしてSF(どう考えても突っ込みどころ満載)として是非ともご意見をいただければと思います。


[44] RE:キッチンドランカーvs冷蔵庫 Name:84g Date:2010/09/09(木) 23:20
適度なリサーチが見事。
耐用年数とかSFでは使えそうで使えないデータを持ってきているのがとにかく好印象。
喋る冷蔵庫は実用化されていますが、この『現実にありそうで無い』という感覚がなんとも言えずSF。
類似テーマ短編を書きながら、全く考えなかった。 いやお見事。
6・7はちょっと糸を引く展開で残念でしたが、5話ぐらいまでは金払ってでも読みたいクオリティで楽しませてもらいました。


コミカルな会話、軽い調子のストーリー、リアルな人間描写などとにかく高い技能を見せてもらいました。
ですが、このオチにどういうリアクションを取れば良いのかが分らない、というのが本音。
奥さんが幸せならそれはそれで良いんですが、爽快感というなら未来に向かって欲しかった。
というか、冷蔵庫への転嫁リハビリも逃避にしか見えませんし、冷蔵庫と息子を繋ぐものは何も無いわけで。
別に主人公が必ずしも正しい必要はありませんし、依存対象が酒よりも冷蔵庫の方が健康的なのは事実。
それでも軽妙なストーリーの最後に病んでいるとしかいえないオチで、泣けば良いのか、喜べば良いのか、
感情移入できず、モヤモヤとしたものが残りました。


最後の冷蔵庫復活劇も、やや強引。
…全く独り言ですが、自分もできなかったことでも感想で言うのが俺の流儀。
読者の時は読者の時、作者の時は作者の時で視点を持つのがマナー、と自己肯定をしつつ、感想を続けます。

冷蔵庫の人工知能が行った“細工”は、言い換えればサイバーテロでしかないわけで。
この方法ができるならば、全てのパスコードに反応するようにしておけば、全てのオンラインソフトを同時に書き換えできるわけで。
それに方法としても露骨すぎますし、確率も疑問が浮かびます。

もっと簡単で建設的な方法を推奨。
それか逆アプローチで『理屈は無い! マドモアゼルの心が呼んだ奇跡!』とかの方がダイナミックで良かった気がします。
ひとりしか居ないマンションですし、幻想なり幻聴なりで逃げられたわけですし。
冒頭に見せた作りこみを、この最後まで発揮して欲しかった。

[67] RE:キッチンドランカーvs冷蔵庫 Name:藤咲一 Date:2010/09/19(日) 23:20
ご無沙汰してます、藤咲一です。
企画執筆お疲れ様でした。
と、挨拶は程々に、辛口希望の企画作品を覗かせていただいたので、簡単な感想を……

面白かったです。
マリナの心境変化とそれに係わる冷蔵庫。
ポンとコメディで盛り上げるのもさりげなく、お酒から抜け出す事柄を描かれていて、しっかりと読む事ができました。
しかし何と言うか、完全なハッピーエンドではない事に戸惑いはあります。
確かに、世の中そんなに上手くはいかない。それほどたやすく人は立ち直れない。
それが人間の弱さであり、人らしい所なのかもしれません。
覗かせた残酷で暗い一面。
それを描かれたのであれば、問題ありません。
けれど、自立の上のハッピーエンドを狙われたのであれば、スッキリしない感は否めませんでした。
といっても、自分の事は棚に上げている私ですから、適当にスルーしておいてください。

と、以上が私の感想です。
好き勝手な感想すいません。
これからも頑張ってください。
藤咲一でした。


[71] RE:キッチンドランカーvs冷蔵庫 Name:石神航 Date:2010/09/21(火) 00:45
 読了感が今ひとつなのはなぜだろうと考えてみた。アイディアはそう悪くはない。「人間が描き切れていない」のだ。
 セリフのやりとり一つ一つは面白いのだが、現実的にこんな人は「ありえない」と脳で直感してしまう。すると、せっかくのコメディが全く面白くなくなる。
 出だし、せっかく人物像を描こうと事件描写やその後の生活態度の変化などを持ち出してきたが、裏目に出た。そこまで悲惨な状態の人間が、ああなるだろうか。いや、あの描写はアル中とは言えない。健康的すぎるのだ。
 恐らく作者の中での「なんとなく」が先行して書かれた作品ではないか。果たして事件の当事者はコメディの主人公になり得るだろうか。鬱々とした人間を目の当たりにしたことはあるだろうか。
 コメディだからなんでもありではなくて、コメディだからこそ人間をしっかり描いて共感させて欲しいもの。本気で面白いと思うものは、やはり人物が生き生きしている。台詞だけで人物の動きや表情が想像できるくらい、地に足がついているものだ。
 しかし今作はどうか。大変失礼ながら、そういう「台本」に沿って女と四角が読み合わせをしているようにしか見えなかった。始終「面白いことを言い合っている雰囲気」になっているのだ。
 ところで「夫婦」設定だが、父子でも構わなかったのではないだろうか。とても主人公の二人は夫婦には見えなかった。普段の会話、コミュニケーションなど、どうもお互い愛し合って一緒にいるようには見えない。それが最後の浮気に繋がっていくかというと、そんなこともない。
 形骸的なのは夫婦像だけではなくて、「妻」そのものにも言える。立場としての「妻」を実行する人型が、冷蔵庫と漫才をするためだけにそこにいる。
 やはり、全体を通して言えるのは「人間の描き方が不足している」ということだ。
 身の丈にあった描き方というものがある。誰だって、身近にない存在や遭遇したことのない出来事を描くのは難しいに決まっている。そこで、類似したモデルを据え、脳内で登場人物に変換させていく作業をするのだ。果たして、この主人公らに明確なモデルはいただろうか。作者は彼女を「妻」という人間として見ていただろうか。疑問が残った。
 冷蔵庫との感動的な再会はさて置きとして、最後の最後、オチの部分も納得できなかった。悔しいかな、面白い話なんだとはわかっているが、笑えない。そういう仕様なのか、私の笑いのツボから外れたのかは、不明にしておく。


[72] コメディの入り方 Name:独行道アマチュア戯作者 Date:2010/09/21(火) 22:40
面白い。そう、この作品は面白いのである。
読んでいてつっかえるところのない文章に舌を巻き、登場人物たちの掛け合いにクスリと笑わされ(文章で笑わせるということが如何に至難かは文章をお書きの皆様ならばお分かりになることと思う)、この作品の底流に流れるハートウォーミングさに胸を打たれる。
それに、この作品は立派なSFである。人工知能という作られた物に対して、主人公である妻が親近感を覚えていき、遂には自分の愛した夫をも超える存在となっていく。つまりこれは、人工知能が生身の人間を超えた瞬間が描かれた作品なのである。

ただ、個人的にはコメディパートの入り方が気になった。
息子が死んで酒浸りになっている妻が、冷蔵庫へのツッコミ役になるタイミングがあまりに早すぎる。妻がコメディタッチな受け答えをするのは早くも【2】の頃、つまり冷蔵庫と出会ったその瞬間にコメディ世界の住人となっている。設定は、息子に先立たれたキッチンドランカーのはずなのに。ここはもう少し、コメディタッチに切り替えるタイミングをずらすべきだったのではないだろうか。
あとは上の他感想人方のご指摘にもあるが、オチである。あそこで息子の死を乗り越えた妻の姿を描きたかったのは分かる。だが、少々ギャグがキツい。いくら息子の死を乗り越えたとはいえ、ここに息子がいないのは事実なのだ。最後の感情の機微を、もっと描き込んで欲しかった。

いや、面白いのは純然たる事実なのだ。だからこそ、根幹にかかわる部分が気になった次第である。

色々と申しまして、まことにもうしわけありません。


[107] RE:キッチンドランカーvs冷蔵庫 Name:招夏 Date:2010/10/08(金) 13:01
辛口にするかどうか迷ったのですが、結局こちらで失礼します。

面白かった。まずは、その一言。

こんな冷蔵庫欲しいです(笑)

確かに最近の冷蔵庫は、半開きになっていたり、長いこと開けて探し物をしていたりするとピーっと文句言いますよね。それに対して「も〜、分かってるよ〜」とか「うわ〜ん、冷蔵庫に怒られた〜」などと返答していたり^^;。冷蔵庫がしゃべるというのは、案外容易に受け入れ可能な気がします。

それに、このお話の中では、下手に息子や子どもに似せたロボットでなかったところが好感を持てました。

私が感じた違和感は、奥さんのキャラです。なんだか女性らしくないんですよ。折に触れ、これは奥さん、これは奥さん、と軌道修正しないと頭に浮かんでくるイメージが、おっさん化してしまうようなんです(苦笑)。しかも、体が弱くて、もう子どもが望めないという設定であったはずなのに、めちゃめちゃ元気そうだし……うーん、掴みどころのない奥さんキャラ……

あと、これは私個人の趣味の問題ですが、最後は、やはり旦那さまと未来へ向かって欲しかったです。だって、冷蔵庫を用意したのは旦那さまだし、最悪の状況の時にさえ逃げ出さなかった旦那が、表面上だけでも良好になった家庭を放り出しますかね?(いや〜、でも、そこのところは、微妙と言えば微妙かな…)奥さんも、表面だけを繕って裏で離婚を企むより、再び怪獣のように暴れるなりなんなりして、夫と妻と冷蔵庫の日々を取り戻して欲しかったです。ええ、前にも言ったとおり、これは私の希望に過ぎませんがね(笑)。

展開が、暗黒→薄墨→光→黄昏という構成になっているのが、残念でした。最後は輝いていて欲しかったので……

以上、言いたい放題ですみませんでした。

ちなみに、私は冷蔵庫がウロツイても、ふんづけてきたり、ぶつかってきたりしない限り、ちっとも構いません。切れかけてるソースとかマヨネーズなどを買い足しておいてくれたら尚良し(笑)

[110] 感想 Name:美鈴 Date:2010/10/10(日) 09:08
 この作者は多彩である。書き慣れていて文章も読み易い。笑いに対して一家言ありそうで、ネタ振りにキレがある。文句の突け様がなく「小説家になろう」では上手い一人だろう。

 しかし、以前からこの作者に欠点があるとしたら、と思っていた部分がこの作品で露呈している。
 総じて文章が上手い作者は観察眼が鋭い。ボキャブラリーだけで上手いとは言えない。但し、人物に命を吹き込む作業は別のようだ。文章は上手いのだが、これが熟れていない人も意外といる。
 勿論、人間、知識や経験だけでものを書けはしないから、想像力と応用力で何とか格好へ持って行く。自分が知らない世界を書く時には、観察と調べものも不可欠。それが出来ない場合は踏み込まない方がよい。だが、それをやったとしても、その過程で「思い込み」やら「過信」が入り込むと無残な結果になることがある。何を言いたいのかはきっとこの作者なら分かってもらえるだろう。

 最大の問題は、この作品を笑いに包もうとしたことだろう。
 
 作者は、癒しを主題としたが、子を失い自暴自棄に成りかかる人物が、果たしてこの展開で救われるのだろうか?
 今、勢いのある作者だけに勿体無かった。


[154] RE:キッチンドランカーvs冷蔵庫 Name:三谷透子 Date:2010/10/21(木) 02:53
えっと、感想ありがとうございました!お返しという訳ではありませんが拙いながら感想なぞ。辛口掲示板でなくてもいいような気がしますが、統制された掲示板に書き込むのは本意でないのでこちらに書かせて頂きます。

最初の感想は、完璧だけど違和感がある、でした。何で違和感があるのか。それを書きたいと思います。

さて。この話は非常に巧いと思います。不妊症の妻がやっと授かった子供を事故で亡くしてしまう。それだけでも悲惨なのに一緒に悲しみを分け合える筈の夫は妻の相手を冷蔵庫に任せてしまう……この話の展開では救われないという方もおられますが、これが冷蔵庫ではなく妻の幼なじみやら夫の友人であればすんなり理解出来るのではないでしょうか?友人やら幼なじみを冷蔵庫にしたというのがこの話のキモです。つまり、この話は子供を亡くして孤独な妻と冷蔵庫の恋物語な訳です。そりゃないと言われるかもしれませんが、最初に設定にするために必死な妻や妻と自分にとってのみ重要なパスワードを掛けて初期化を逃れる冷蔵庫の行動は人間同士ならかなりベタな恋物語です。

完璧です。最早水一滴すら漏れぬ素晴らしい構成です。ですがこの作者はこの話をコメディーを指向して書いたものと明言しています。恋物語として書かれたものではありません。そこが違和感の元となっているのでは?と考えます。はっきり言ってコメディーになってないのです。確かに話の中には軽妙な会話等の笑いの要素がありますが、それらはユーモアのレベルではないかと思います。又、恋物語の中にはラブコメというジャンルはありますが、この話の流れだと冷蔵庫と妻のラブコメというのは難しい思います。

もし、この話をこのままでコメディーと読むとしたら、『ベニスの商人』を喜劇ではなくシャイロックの悲劇とみなすような見方が必要でしょう。つまり、子供を亡くして仕事に逃げたらあろうことか冷蔵庫に妻を寝取られた夫の話として読む必要がある訳です。ですがそう書かれていると言えるのでしょうか?

非常に無礼な事を長々と書いてしまったような気がしますが、非常に楽しく読ませて頂きました、という感想で締めとさせて頂きます。


[193] 返信と書いてあとがき Name:栖坂月 Date:2010/11/08(月) 11:05
この作品の辛口が賑わったことは、結果的に良かったと考えています。自分の中にある価値観がどの程度ズレているのか、周囲の人間にはどのように見えるものなのか、それがかなり明瞭な形で見えるように思えたことが、その要因です。
まずはこのような、羊の皮を被った豚野郎をお読みいただきまして、大変恐縮しています。皆さんの苦笑い、あるいは冷笑が見えるような気がして、ホントに怖いくらいです(笑)でもまぁ、こうして作品を上げ、しっかりと読んでいただいたからには、それなりの言い訳と言いますか、作者なりの思惑くらいは公開しておかないとスッキリせんだろうと思いましたので、特に終盤への展開に関する思惑について、簡単にではありますが記述しておこうかと思います。
この作品の意図するテーマは、基本的には三谷さんが予想された通りです。私の中でこの作品は、ある意味恋愛物でした。そしてもちろん、ラブコメではありません。むしろ恋愛に対する皮肉を込めたつもりです。その基本的な構図は「三次に嫌気がさして二次に走る人間」です。主人公にとって、冷蔵庫は極めて都合の良い存在だったと思います。自分を理解してくれて、常に側に居てくれて、気にかけてくれる存在です。対して夫は、極普通の存在として描いています。この二つを単純に比べて、彼女は都合の良い方を選んだという形になっています。まぁ人間としては、少なくとも夫側の立場を理解できる人間にとっては面白くない話であろうなーと私自身も思います。でも、そうでない価値観が世の中にはあって、理解されることはなくとも選択することはできるのだという、かなり歪んだ願望と言いますか、思想みたいなものが底辺にあるワケです。
個人的には奥さんが「逃げた」という形をとってしまったことが、何よりマズかったような気がしています。もっと真正面から冷蔵庫を好きになるような、真摯な恋愛物であったなら、あるいは纏まりのある作品になっていたのかもしれません。
でもごめんなさい。恋愛物って苦手なの(笑)
いずれにしても、ここまでの分析へ行き届いたのも、皆様のレビューがあったればこそです。私は長らく、誰からも反応が貰えない環境で文章を連ねてきましたが、こういった反応が本当にありがたいということを改めて痛感しております。そういう意味でも、この企画には本当に感謝したいところです。
この先も、恐らくは共感を全く狙わない作品を書くことがあると思いますが、それでも尚唸らせる作品を書けるよう、尽力していきたいと思います。
熱く丁寧なレビューの数々、重ね重ねありがとうございました。



  


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