三作読み終え感じたことは、どれもシナリオから脱却できなかったということだろうか。アイディアとしては悪くないのだが、それを思うように形に出来ていない。
起承転結というごくごく当たり前のことが、上手く機能しないのだ。これは、思うに平淡で単調な文章と、主題のないストーリーが原因ではないかと。
例えば、ここは読まなくてはならないと、読者が惹き付けられるようなポイントが見受けられない。こう書いてしまえば、なんと冷たい奴だな石神はと怒鳴られそうだが、どこまでいったら話の山場になるのだろうと文字を追っているうちに終わってしまった。見せ場は、山場でなければならないと思うのだ。ここを見せたいから書いているという、力強さが感じられない。これは、物語にとっても不幸なことではないか。
思うに、ひとつの事柄だけ順を追っていく書き方を続けていては、恐らくこの平坦さからは抜けることは出来ない。ひとつの物語の中に二つ以上の問題を絡ませる手法があるが、それを試してみたら如何だろうか。
何度も言うが、アイディアは悪くないと思うのだ。何が足りないと言えば、やはり、書き方の問題なのであろうなぁ。数多く執筆されているのであれば、どうしたら山場を作れるか、どうすればキャラが引き立つのかなど、自分なりの感触を持っていてもおかしくはないと思うのだが、一つの物語についてどの程度力を込めて書いているのか、一人の読者として首を傾げる自体であるのが何とも虚しい限りだ。
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